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【海外ニュース】ドイツ発・新型コロナ第3波でロックダウンの街に希望の灯り

新型コロナウィルスの第3波が来襲している欧州で、多くの街がロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされています。パンデミックによるロックダウンの再開で思い出す、心温まる人と動物の物語を紹介します。

要約 どんなニュース?

Image credits: Boris Roessler / Alamy Stock Photo

  • ドイツのフランクフルト。14年間、飼い主なしで散歩する馬の話題
  • ゲーテ通りを闊歩し、マイン川沿いで草をはむ
  • 地元住民の間で人気者。過去にトラブルなく警察も黙認
  • パンデミックによる外出規制で、人恋しい人達の希望の灯りに

さらに・・・

  • 馬のジェニーには「逃げ回ったりしません。ただ散歩をしているだけです」というメモが付けられている
  • 夕方4時。80歳の飼い主が電動スクーターで、ジェニーの散歩ルートを巡る。ジェニーを見つけると「帰るよ」と伝えるそう。ジェニーはそれを聞いて帰途に

住民にも飼い主にも、欧州人の動物を愛する気質を感じますね。

ニュース記事はこちら(英文記事)

ドイツはロックダウンの延長を発表

ドイツのメルケル首相は、11月25日、新型コロナウイルス対策として11月初めに実施した部分的なロックダウン措置を12月20日まで延長すると発表しました。

学校は休校となり、公園も閉鎖され、会社も店舗も閉まってします。ロックダウンにあたり、人々は外出を必要最低限に抑え、ソーシャルディスタンスを保ちながら暮らしています

フランクフルトで人気者の馬のジェニー

Both of above images’ credits: Boris Roessler / Alamy Stock Photo

前回のロックダウン時に、話題になった、住民と動物のほっこりするニュースをご紹介します。

きれいなアラビアン・メア種のジェニーは、10年以上にわたり、ドイツ・フランクフルトのマイン川沿いの街を散歩している。しかも飼い主なく1人(1頭)で。でも、地域住民には、お馴染みの朝の風景のようです。

毎朝、25歳の牝馬であるジェニーは、馬小屋を出て、フランクフルトのマイン川界隈を散策します。線路上にジェニーを見つけると、街の名物であるトラム(路面電車)も停車するほどです。その風景に、人々は皆んな笑顔になるのです。

新型コロナ禍でロックダウンした街に明かりを灯したと言われており、今回もきっと人々に温もりを与えていることでしょう。

ジェニーにはロックダウンもお構いなし

Image Credits: David Bachar

「みんな新型コロナウイルスのために自粛していますが、ジェニーは違うわ。これまで以上に自由なんじゃないかしら」と飼い主が話すように、フランクフルトの中心地であるゲーテ通りを闊歩し、路面電車沿いを通り、マイン川の河川敷で草をはむ

その悠々とした姿に、地域住民の間で羨望の眼差しが注がれ、その人気はさらに高まっているようです。

ソーシャルディスタンスを保ちながら、買い出しなどで外出した時にジェニーに遭遇した人たちの多くが、ジェニーに近づき撫でていくそうです。自粛生活の影響で、人と会う機会が減ったため、人恋しいと感じているのではないかと飼い主は話しています。

ジョギングやウォーキングさえできなくなり、人々の間でストレスが溜まっているのかもしれませんね。

飼い主なしの散歩は法的に問題はないの?

Image credits: Boris Roessler / Alamy Stock Photo

「誤解のなきよう申し添えておくが、飼い主なく徘徊する馬がいるとして、ジェニーは警察に通報された過去がある」と記事では伝えています。ただし、何年にも渡る毎日の散歩で、ジェニーは一度もトラブルを起こしたことがないため、地元警察も人気者の馬の散歩を黙認しているようです。

通報以来、ジェニーには「逃げ回ったりしません。ただ散歩をしていだけです」と書かれたメモがぶら下げられています。

日課の散歩は、夕方4時に終わります。ジェニーの飼い主である80歳のバーナーさんが電動スクーターに乗って、ジェニーの散歩ルートを巡ります。ジェニーを見つけると「帰る時間だよ」と伝えるそうです。

「そして、ジェニーはゆっくりと帰途につくんだよ」と花屋を退職したバーナーさんは言います。

馬と飼い主の意外な共通点

とても温厚な馬であるジェニーですが、苦手なものが一つだけあるそうです。それは、花火の音。動物にとっては、無理もない話ですね。

そして、飼い主のバーナーさんも、第二次世界大戦中の爆撃音に苛まれた過去があり、2人とも「爆発音が苦手」という共通点があるのです。

「ジェニーとわしは(花火で祝う)大みそかには、縮こまりながら過ごすもんだよ」バーナーは笑います。そしてわしらは戦争を生き延びた。コロナであっても、きっとわしらは生き延びるよ」と肩をすくめながら話してくれたそうです。

この記事からのお役立ちフレーズ

この記事を翻訳していて驚いたのは「散歩」や「歩く」という表現の多さでした!

  1. wander 歩き回る、ぶらつく、徘徊する
  2. stroll そぞろ歩く、散策する、放浪する
  3. roam (当てもなく)散策する、うろつく、放浪する
  4. ramble ぶらつく、散歩する、探究する
  5. trot (馬が)小走りする、速足で駆ける
  6. amble のんびり歩く、ブラブラ歩く、(馬が)側対歩で歩く
  7. stride 大股で歩く、歩み

それぞれニュアンスが違うんですね。これを覚えるのは大変!

この記事で、覚えておきたいなと思った単語やフレーズはこちらです。

  • decade 10年間
    for more than a decade 10年以上にわたり
  • bank 土手、岸
    on the bank of the Main river マイン川の河川敷で
  • recent 最近の、近頃の
    in recent weeks ここ数週間は
  • restriction 制約、制限
    with coronavirus restrictions コロナウイルスによる外出規制により
  • curb 抑える、抑制する
     executing lockdown to curb the outbreak
    アウトブレイクを抑えるためのロックダウンの施行