ソーセージや大きな骨付き肉(アイスバイン)で有名なドイツですが、2020年9月28日の『プラントベース・ニュース』で意外な記事が掲載されました。
記事元(原文のまま)
Over 40% Of Germans Have Ditched Or Reduced Meat, Says Report
その記事には、ガーディアン・レポートによるとドイツ国民を対象にした意識調査では、国民の42%が肉食を「やめた」または「控えている」との結果がもたらされたというものでした。
【ドイツ発・肉食派がマイノリティに?】
・国民の42%が肉食を「やめた」又は「控えている」と回答
・代わりにヴィーガン、ベジタリアン、ぺスクリタリアン(魚採食主義者)、フレキシタリアン(菜食主義だが稀に肉を食す)が急増
・食嗜好の変化は「地球環境と動物への配慮」が理由#海外ニュース pic.twitter.com/utDhtObfKd— コージ | KJ@英語好きを応援する人 (@Koji_san_JP) September 29, 2020
ドイツを始めとした肉食系諸国で、いま、なにが起きているのでしょうか。記事を要約しながら解説してみましょう。
多様化する食事の変化|ヴィーガンという選択肢

2020年9月、ドイツでは新型コロナウイルス第1波によるロックダウンが解除されました。そして、市中のレストランが再開するにも関わらず、ヴィーガンレシピの検索が増え続けていたのです。
最近よく耳にすることも多くなったヴィーガンとは、動物由来の食品を食べず、植物由来の食品のみを摂取する食生活をいいます。ベジタリアンは肉や魚を食べませんが、ヴィーガンの人々は卵、牛乳やチーズなどの乳製品、そしてハチミツも食べません。
また、魚菜食主義者は「ぺスクリタリアン “Pescatarian“」、菜食主義ながら稀に肉を食する人々は「フレキシタリアン “Flexitarian“」と呼ばれます。いずれも食嗜好の多様化が進むにつれて発生してきた分類といえるでしょう。
心理学上でもヴィーガンの台頭|ドイツで肉食派がマイノリティに?
冒頭の記事で、ドイツ国民の42%が肉食を「やめた」又は「控えている」と回答したとお伝えしました。科学ジャーナル誌「フーズ(Foods)」に掲載された報告によると、「好んで肉食派」の人々が調査史上初めてマイノリティとなったということです。
ドイツでは、代わりにヴィーガンやベジタリアンに加え、前述のぺスクリタリアンやフレキシタリアンが急増しているとも記事では伝えています。
調査を行った英国・バース大学の心理学者・クリストファー・ブライアント教授は「ドイツ国内でこれだけの数値があがるのは、好んで菜食主義に移行する人が増えていることを示している。
さらに同教授は「『肉食が普通だ』という見方が肉を食べることを継続する動機付けとなり、安心材料となっている。しかし、一旦これがマイノリティとなった場合、そして、代替品が割安で、より美味しいものであるなら、肉食離れは加速するでしょう」と指摘しています。
ヴィーガン嗜好国ランキングでトップ10入り

プロの料理人向けサイト「シェフズ・ペンシル」が最近発表したヴィーガン嗜好の国別リストによると、肉食派の印象の強いドイツがなんと6位にランクインしているのです!
ドイツでは一般に肉製品は人気があります。しかし「シェフズ・ペンシル」は、グーグルのトレンドデータによると、伝統料理が肉や乳製品である国においてヴィーガニズム嗜好がより加速しているとの結果で出ているといいます。これはヴィーガン嗜好が前例なき盛り上がりを見せていることを示すものです。
ロックダウン解除後にレストランが再開した後も、ヴィーガンレシピの検索が増えているのは、流行だけでない本当の食嗜好の変化の兆しと受け止められているようです。また、食嗜好の変化は「地球環境と動物への配慮」が理由ともされています。